“代表が答える” 三友製作所 Q&A
東京都・大田区で40年続くねじ製造会社、三友製作所はいったいどんな会社なのでしょう。代表取締役社長・堤 邦鷹に質問をぶつけてみました。三友製作所がどんな会社なのか少しでも知っていただけると幸いです。
- Q.三友製作所の歴史を教えてください?
- A.三友製作所は私の祖父の代に創業していて、それ以来ずっとネジ、スタッドをつくり続けてきました。創業からもう40年になりますね、祖父の後を私の叔父が引き継ぎ、6年前に私が叔父から私が引き継いで3代目の代表となりました。
- Q.どんなものを作っているのですか?
- A.ネジやスタッドが多いです。六角ボルトやコレットなんかも得意ですね、小ロット品にも量産品にも対応します。もちろんこれまでに作ったことのない製品でも弊社で加工対応できることであればお引き受けします。
- Q.これまでで一番難しかったのは、どんな仕事でしたか?
- A.初めてのお仕事だったんですけど、量産品でボルトの頭にローレットというギザギザの山を1周に53ヤマで作るというものです。
長年の勘で最初に52ヤマできたんですが、53にするまでには2日かかりました…
丸二日ぐらいぶっ通しで、セッティングして数えて、セッティングして数えての繰り返し。微妙に刃物の角度を変えながら何度もチャレンジして、2日目にお客様が来社されたのですが、その時漸く53ヤマができて、お客様と手を取り合って喜びました。 - Q.職人に大事なものって何ですか?
- A.やっぱり、勘と経験ですかね。祖父がよく「腕のいい職人は勘のいい職人だ」と言っていました。この勘がやっぱり重要なんだと思います。
難しい案件でも勘で近いところまではいけるんです。例えば先程の53ヤマの案件だと勘で52ヤマまでは出せるんですよ。そこから先は試行錯誤と経験が必要になります。
うちの職人の小野崎は勘も鋭いんですが、なにより20年の経験があって、二人で相談していると「前にこういうことがあったんで、今回もこれでできると思う」というような話が出てきます。こういう経験がものをいう世界でもあります。経験すればするほど、この世界は有利になる。ノウハウ、経験も必要ですね。 - Q.三友製作所にはどんなスタッフがいますか?
- A.真面目なスタッフが多いですね。そして若い。私も小野崎も40代で、職人の世界ではまだまだの年齢。
今、旋盤やネジ製造の業界では、廃業する会社が多いんです。経験もあるし、知識も豊富、だけど、ベテランの職人さんしかいない会社では仕事自体を続けていけない。
うちはスタッフがまだ若いのが特徴ですね。お客様にもよく言われるんですが、ここの会社は若い、育てていかなきゃと(笑)期待に応えられるように精進します。 - Q.仕事をするうえで大事にしていることはありますか?
- A.できるだけ綺麗なネジをつくることです。品質管理上はスペックに入っていれば、納品しても問題ないんです。
だけど、うちは綺麗なネジにこだわっています。弊社のようなBtoBビジネスだと、お客様も最終的なお客様に納めるわけじゃないですか、その時のお客様に胸張って納めてもらいたいんですよね。できるだけ、見た目が綺麗なものを。そして、実際綺麗なねじの方が寸法も入りやすいんですよ。あんまり引き目がきかなかったり。きちんと、刃物が乗ってないと言うか、そんな時はだいたい綺麗なねじができない。綺麗であるほどバラツキは少ない。だから綺麗なねじにこだわっています。 - Q.やってみたい仕事はありますか?
- A.宇宙…ですかね。祖父の代では航空機のねじなどもやっていたんですが、やっぱり夢がありますよね。
ビジネス的には、わからないですよ、自動車とかのねじをやってる方が数が多いし、需要もありそうです。でも、やっぱり1つのねじの価値が違う。宇宙の領域で使うねじを作りたいですね。難しい仕事が来ると、よし、やってやろうと思う質なんです。難しい図面が来たら一瞬ひるむ。でも、「できない」とは言いたくないんですよ。お客様の期待にも応えたい。一生チャレンジです。 - Q.目標はありますか?
- A.目標は100年企業。まずは100年先を目指したいです。この業界、廃業する会社さんも多くて、困っているお客様が多いんですよ。だから私たちはお客様にもとめれる限り100年先までねじを作りたいんです。本当は500年先まで続けていきたい(笑)けど先の代までわからないですから、まずは100年先、それを目指したいですね。